音旅

文章の世界の住人。主に音楽のお話。

メインヒロイン

わたしは主人公にはなれない。

たった17年と少し生きただけの人間でも悟ってしまった事実。“応援する側”にはなれても、“応援される側”にはなれない。輝けない原石。他の人に向いているものは瞬時に見抜けるのに、自分に向いているものはいつまで経っても見つけられないジレンマ、盲目。自分が何に向かっていけばいいのかが分からなくなる、時々。

あなたはすごいよ、頑張れるものがあって。「後悔したくない」と言えて。わたしは始める前に自分はだめだ、できないと悟ってしまったから。分かっているようで分かっていないこの世界のからくりを、残酷さを知っているから。

ゴールが見えないものに突き進むのには絶対に勇気が付きまとう、必要不可欠。彼らも、あなたも、それが出来るのがすごい。わたしは応援することしかできない。なれても、隣にいることだけ。隣にいて、同じように喜怒哀楽を味わうことだけ。わたしはそういう人間だと知ってしまったから。今いるところからどう足掻いても上に行けないことなんて、嫌というほど知っている。頑張っても報われないものがあることも知っている。この世の不条理も少しだけ、かじる程度には知っている。その人が生まれた時から持つ才能にはどうやったって敵わないのだ。わたしはその人たちに勝手についていって、有難いことに色々なことを学ばせてもらっている。生きていく理由なのである。誰かに支えられる、もしくは支えてもらってその人は初めて主人公になれる。それまではわたしも彼らも、それからあなたも平等な一般庶民なのだ。わたしの世界ではいつの日も彼らが中心に居る。

 

今日も好きでいていいですか

 

 

点と線を繋いで。