音旅

文章の世界の住人。主に音楽のお話。

音旅的 今月の5曲-2023年12月編

今月分も書いていくことにする。

  • 月内に正式リリースor先行リリースされた楽曲
  • MVのfull ver.が公開されていて公式的な手段で楽曲の全体が聴けるもの

上記のどちらかの条件が当てはまるもので、月内に気に入った楽曲を紹介していくシリーズ記事となっております。先月分(2023年11月編)はこちらからご覧ください。

 

Snowbud/MAPA

今年は初めて彼女たちのことを知り現場にも何度か足を運んだのだけど、MAPAの進化が止まらない1年だったなぁと感じている。2024年に4人体制を終える(メンバーが追加となるということなのでネガティブな意味ではない)MAPAにとって、この曲はこれまでの活動の集大成のように聴こえた。1stアルバム名に「四天王」、YouTubeは「四天王部屋」というタイトルが使われていてMAPA結成当初から「4」に対するこだわりが強く、何より彼女たちはパフォーマンス面で「4人」の強みを生かしてきたように思う。

MAPAの曲は大抵の場合、メンバーの誰かがフューチャーされているような気がしている。わたしの推しである神西笑夢(じんざい えむ)さんは「真夏の卒業式」という楽曲を歌う時が1番輝いているという風に、曲によって主人公になるメンバーが違ってきてそれを観たり聴いたりするのも楽しい。「Snowbud」は、MAPAの中でも歌に定評のある宇城茉世(うしろ まよ)さんがメインとなって音楽を紡いでいる。茉世さんはきっとMAPAじゃなかったとしてもアイドルとして活動出来ていたと思うし、歌が上手く表現力のある人だからひとりでも飛び立てるのではないかとわたしは考えている。だからこそ、MAPAにいてくれることに意味があるのだ。

「Snowbud」の茉世さんのパートに、「雪やこんこん今夜は温め合わずに過ごさせて」という一節がある。聴いた途端に、このパートは茉世さんにしか出来ないのではないかと強く思った。そして、どうか他の人に譲らないでほしいとも願ってしまった。素晴らしいMAPAの現体制ラストの楽曲が、広く届きますように。

 

 

I got it/IMP.

MVを観て、この曲を味わっておかないとわたしの今年の12月は終われない、終わらせられないと強く感じた。

12月2日に京セラドーム大阪にて開催されたSKY-HI主催の音楽イベント「D.U.N.K.」にてIMP.が初出演したのをその場で目撃したのだが、これまでリリースした「CRUISIN'」「IMP.」「SWITCHing」の3曲とは違った色気が彼らに追加されていて、観ていたわたしは思わずその場でくらくらしてしまいそうになった。サビで大きく腰を振るダンスはアイドルとしての実力が伴わないと似合わない振り付けだと思うし、IMP.の新しい部分をまた見ることができて嬉しくなった。これからもっと様々な表情やパフォーマンスを観られるのかと思うと楽しみでならない。

 

 

JOKER/Hiromitsu Kitayama

割と本気で天変地異が起きたのかと思った…今月の音楽に入れない訳が無い。

IMP.に続いて同じ事務所のアイドルを選出してしまうのだが、クレジットも楽曲も個人的にめちゃめちゃ刺さったので選出させて頂く。

「JOKER」は歌い手である北山さんが楽曲制作に携わっているのだが、共作詞としてXIIXの斎藤宏介さんの名が連なっており、作曲はXIIX(斎藤宏介さん/須藤優さん)となっている。以前から北山さんと斎藤さんが友人として仲良くしているのは知ってはいたが、ビジネスとして楽曲提供をするのにはかなり驚いた(この曲だけではなく、北山さんが前事務所にいた時点でタイアップをと他の曲も候補に上がっていたりしていたそう)。きっと友人として並々ならぬ熱い思いで楽曲提供を決めたに違いないとわたしは考えている。

歌詞の言い回しも斎藤の特徴が大変に表れていて、「淡い期待じゃ物足りない 甘い甘い夢見たくない?」とか韻踏みのオンパレードで最高。兎にも角にも何度だって聴いて、観て、墜ちていってしまいそうなのだ。今のままでは解釈が足りないのでもっと研究を重ねていきたい1曲。

 

 

ラッパと娘/福来スズ子

歌手名表記に迷ったがここはあえて役名で紹介させて頂く。役名は、福来スズ子(ふくらいすずこ)と読む。

聴くだけで心踊りだしてしまう今楽曲、ようやっと劇中歌をまとめてアルバムとしてリリースされた。純粋にドラマと楽曲たちが大好きなのでめちゃめちゃ嬉しい。様々諸事情あったのだと思うが、この曲で2023年の紅白に出場してほしかった…なんなら劇中歌4曲くらいのメドレー披露でも良かったが…?と常々思っている。

2023年10月〜2024年3月期の朝ドラ「ブギウギ」の劇中歌としてドラマ内で何度も披露されているのだが、主人公である福来スズ子を演じる趣里(しゅり)ちゃんの声が本当によく通る。彼女は元々バレエを習っていてダンスの経験はあったそうなのだが、歌の経験はほぼ無いに等しかったらしい。ただ、趣里ちゃんの母は元キャンディーズ伊藤蘭さん。そりゃあ娘である彼女にも歌の才能があると思うのが当然で。朝ドラのオーディションの年齢制限のギリギリである32才でヒロインの座を掴み取り、見事に才能を開花させているというわけだ。その中でも「ラッパと娘」は福来スズ子を代表するナンバーで、シンプルな作りの楽曲ながらも観たり聴いたりするだけで軽やかに踊り出してしまいそうな、心を照らす明るい歌だ。個人的には大正時代あたりの文化が大好きなので、タイムスリップが出来るなら大正時代でこの曲を観てみたい。

 

 

それは月曜日の9時のように(Cover)/ONIGAWARA

気を抜いたら「サティフォさんかわいい」で感想が終わってしまうのでちゃんと書く。

この曲を披露していたわけではないのだけど、2023年に参戦したライブの中でもONIGAWARAは特殊だったというか…ボーカルユニットなのにペンライトを振りながら観てもいいしその上ライブの撮影可能。物販ではメンバーさんとお喋りできるという、アイドルオタクをしているわたしからするとなかなかに恵まれた環境のライブをしていて驚いたのを覚えている。

この曲はONIGAWARAがukkaというアイドルグループに提供したものをセルフカバーしたそうなのだが、とにかく可愛らしすぎてきゅんきゅんする。

女性アイドルグループに提供した楽曲なので恋愛ソングとして甘々なのは勿論なのだが、提供楽曲だからと特段かわいくしている訳ではなくONIGAWARAの楽曲はいつもこういった雰囲気を纏っている確率が高い(「ボーイフレンドになりたいっ!」が特に可愛すぎてライブにてカメラををすぐさま回してしまったのも良い思い出)。今回のONIGAWARAセルフカバーver.だと少しダンディーな伴奏というか、2人に合うように音的に調節されているのがまた良い。

「ラブストーリーの言う通り それは月曜日の9時のように」という一節、語感が良くて思わず口ずさみたくなるから早くライブで観てみたい。

 

以上、2023年12月編でした。1月も良い曲との出逢いがたくさんありますように。