音旅

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SixTONES「こっから」、好きすぎてずっと聴いてる

 SixTONESが2023年6月14日にリリースしたシングル「こっから」。マジでなーーーんも勝てない。もはや「これに勝てる曲2023年あと半年で出るか?」くらいの勢いで飽きもせずほぼ毎日聴き続けている(但し今度リリースされるニューシングル「CREAK」がこれを超越してきそうで怖い)。それくらいにとんでもないシングル曲が世の中に放たれてしまったのだ。本記事ではその詳細を記載する。

(なお事前情報として、当方はSixTONESを2023年3月下旬頃から応援しているジェシー担&ファン歴5か月のまだまだ赤ちゃんスト担👶ということを頭の片隅に置いてお読みいただけると幸いである)。

 

SixTONESの音楽性について

 わたしから見たSixTONESのファーストインパクトは「とにかく歌が上手くて顔の良い人たち」。個人的にはかなり最近(今年の3月下旬頃)にSixTONESのファンになったので、彼らのイメージといえばあのYOSHIKIさんが携わったデビュー曲の「Imitation Rain」やドラマ主題歌としてリリースされた「わたし」といった楽曲だった。その楽曲たちからイメージされるように、SixTONESといえば美しくて綺麗な歌を歌う人たちなのかなぁとふんわりと思っていた。その2曲はこちらよりご覧頂きたい。

しかし、SixTONESを知っていくうちにそのイメージは良い意味で壊れていった。綺麗な曲だけじゃない、アップテンポで激しい曲だって、色気のある曲だってなんでも歌いこなしてしまう彼らの虜となってしまったのだ。

 

「こっから」は、彼らのYouTubeチャンネルにて不定期で開催されている楽曲披露企画「PLAYLIST」にて、企画初の生配信が敢行された。

生バンドを引き連れて音楽奏でる成人男性たちって、それはもうアイドルじゃなくてただのアーティスト。様々な場面で言われていることだとは思うが、SixTONESはいい意味で「ジャニーズらしくない」アイドルだと感じている。だからこそバンド好きのわたしにぴったりハマったんだと思うし、アイドル好き以外からの支持もこの曲で獲得出来そうな気がしているのだ。

こちらの楽曲はドラマ「だが、情熱はある」の主題歌なのだが、YouTubeのコメント欄を見ているとそのドラマのモデルになったオードリーや南海キャンディーズのファンの方々が曲をきっかけでSixTONESのことを知ってくれたり、音楽番組でパフォーマンスを観て知ってくれた方などが散見される。また、実際わたしにも「歌い手がカバーしてたから『こっから』知ってるよ!」という友人もいる。以上のことから(わたしはSixTONESのファンとしては初心者ではあるが)、「こっから」はSixTONES知名度をぐんと上げた曲のように感じている。

確かに、わたしがもし彼らのことを知らない人へ「SixTONESってこんなグループです」と紹介するならばこの曲を選ぶと思う。この曲だけでもver.が様々あり(この点に関しては後述する)、聴いたり観たりしているだけで「えっこんなに凄いグループなの?」と驚くことになると思うし、やはり何度聴いても個々のメンバーの良さが詰まっている楽曲だと感じる。

 

 

②ラップマイクリレーについて

 SixTONESを知り彼らの音楽を順に聴いていった際に、わたしは「このグループでラップが得意なのは田中樹(たなかじゅり)さんなんだな」と瞬時に悟った。彼は「こっから」以外の曲でもラップ部分を担当することが多く、特に下記の曲が分かりやすく彼の声が聞こえると思う。

この2曲からラップパートで注目すべきは樹さんかもという先入観があったのだが、「こっから」は樹さん以外でも余裕でラップリレーをぶちかましていた。1Aメロを始めるのが樹さん、そうして京本大我さんへと繋ぎ、ジェシーさん、髙地優吾さん、松村北斗さんへと続く。そうして「こっから」がタイアップしている先のドラマで主演を務める森本慎太郎さんのパートが終わると、ジェシーさんの「Let it fire!」という掛け声でサビに突入する展開である。1番のパートだけでSixTONESの全員の手札が用意されているのが驚きだし、兎にも角にも秀逸過ぎる。

 

あとは「こっから」のインストver.を聴いてみるとお分かり頂けるのだが、そちらのver.だと楽器の伴奏だけが流れておりSixTONESメンバーが歌うメロディー部分がほとんどと言っていい程演奏されていない(ラップ調の他楽曲のインストver.も聴いたことがあるが「こっから」よりは歌の部分が分かりやすかった印象を受けた)。この事が何を指すのかとというと、楽曲の難易度に関わってくる。学校で習う合唱曲のように歌う部分がそのまま伴奏のメロディーとして奏でられていればそれをそのまま口から発して歌となるわけだが、「こっから」はそうではないのだ。こちらをご覧頂きたい。

これは先日、SixTONESの公式YouTubeチャンネルにてアップされた情熱ブラスバンドver.の「こっから」である。YouTube更新の通知を受け取った際には「ジャニーズの楽曲で吹奏楽??」と混乱したが、聴いてみると想定していた数倍しっくりと身体に入ってくる。メロディー部分が演奏されないことによって楽器そのものの良さを改めて知ることができるし、特にサビの部分は、吹奏楽ver.となったことにより高校野球を観戦している際によく聴くあの応援をされているようで、背中を押される気持ちになりとても好きだ。これを歌いこなすSixTONESは本当に実力者揃いで只者ではないと思う。ジャニーズのアイドルという職業を越えた仕事をしてくれていると感じることができるのだ。

 

 

③歌声について

 ラップに引き続き、歌の話をしたいと思う。SixTONESは全員歌が上手すぎるのは勿論のこと、6人それぞれ種類の違う声を持っているからこそ他のグループにはない聴き心地の良さを持つ。そのことにプラスで彼らの色が存分に出ているように思う。例えば田中樹さんは先述したようにラップを得意とするが、ラップ以外の歌パートだと色気が出ているように思うし、普段は透き通るように美しい高音パートを歌う京本大我さんに関してはラップ部分となると人が変わったのかという程にとても力強い表現をする。ジェシーさんは元来の持ち味である流暢な英語の発音を活かし日本語とも英語とも区別がつかない絶妙な、心地の良いラインでラップを紡いでいるし、髙地優吾さんはSixTONESの癒しと呼ばれることもあったり舞台では星の王子様役をその身で体現するほど普段はかわいらしい人なのだが、「こっから」では男らしさを前面に押し出していて個人的には新たな発見となった。松村北斗さんはいつものコロンコロンとした、一度聴いたら忘れられないような響く歌声というよりかは「こっから」では音程の下パートを歌う声がよく聴こえてきてまた彼の魅力を見つけてしまいどうしたって好きになってしまった。森本慎太郎さんは「フィギュア」でも分かるようにキャラメルボイスと表現される甘い歌声を持つが今回はその特徴的な声をほとんど封印し、この楽曲においての主役になっているように思う。

このようにひとりひとりの声が重なって作られる「こっから」は、確実にSixTONESの武器となっている楽曲だ。

 

④ダンスについて

 わたしは他のジャニーズグループ…例を挙げるとするならばSnow ManTravis Japanも好きでよく観ているのだが、その2組と比較してみるとSixTONESのダンスは特に各々の個性が豊かだと感じることが多い。どちらをとってもきっとそれぞれの良さで輝いていると思うのだが、敢えて言葉で表現すると、例に挙げた2組のグループは“全員でダンスを揃えること”や、人数の多さならではの特徴として“カメラワークが引いている時に綺麗に見える(撮影時に画面上でメンバー同士が被ることが少ない)こと”に重きを置いているように思う。だが、SixTONESに関しては全員同じ振り付けだとしても、とにかく“ひとりひとりの特性を活かすこと”を得意としているのではないかとわたしは解釈した。

これは、SixTONESが「こっから」をMVに登場したダンスフロアで踊る映像が観られるものだ。ズームしてひとりをじっくり見ても良し、全体的にSixTONES全員を見ても良しな動画となっている。SixTONESのダンスは日本語として矛盾するのだが、「揃っていないのに揃っている」と言えばいいのだろうか。それぞれが好きなように動いているのに、ふとした瞬間にバチッとハマる。お互いがお互いに、同じメンバーと居る年数が長いからこそダンスでの信頼関係が見て取れる(余談だがSixTONESは2023年5月1日で結成8周年を迎えた。8年も同じメンバーと過ごせているなんて凄すぎる)。これこそSixTONESにしか実現出来ない、SixTONESらしさだと思うのだ。

 

 

⑤full ver.限定で聴ける部分について

この部分の話をとてもしたかったのでCDが正式にリリースされた今、購入さえすれば聴ける状況で書けることが嬉しい。ちなみにこちらの映像でも該当部分を手軽に観ることが叶うのでよければ是非。

TBS系で毎週もしくは隔週で放送されている「COUNT DOWN TV LIVE!LIVE!」、通称 「CDTV」という番組にて初めて楽曲のfull ver.がお披露目された際、わたしはTVを観ていたその場から動けなくなってしまった。

黄色信号でずっと進行

辛抱した先は歩こうぜレッドカーペット

タリラリラリラッタ Come on!

よりどりミドリってさっき言ったろ?

明日ありと思う心の仇桜

生きてることが青天の霹靂

しかし悔しさで黒く燃える腹ん中

誰がこんな天才的な詞を書けるんですか?

今楽曲「こっから」を作ったのはSixTONESに度々楽曲提供を行っている佐伯youthK(さえきゆうすけ)さん。彼らの楽曲だと、他に「僕が僕じゃないみたいだ」「オンガク」「人人人」などを手掛けている。ちなみにわたしは「人人人」で完璧にSixTONESの魅力に気づいた人間なので佐伯さんの居る方角に足を向けて寝られない(いつもありがとうございます…!)。

6人のメンバーカラーを詞にするという発想は「こっから」をSixTONESにとって大切な曲にするという意味で納得なのだが、それにしてもこのカラーにこの詞という組み合わせは、誰もが思いつくものではない。よりどりミドリ〜までは色そのものをぶっ込んでいてそれだけでも良いなとは思っていたのだが、急に桃色(ピンク色)のことをを桜と表現してくるものだからその部分の衝撃が強く、後の記憶が飛びそうになった。メンバーカラーと詞の一覧はこちら。

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髙地優吾さん:黄→“黄色信号”

ジェシーさん:赤→“レッドカーペット”

森本慎太郎さん:緑→“よりどりミドリ

京本大我さん:ピンク→“心の仇

田中樹さん:青→“天の霹靂”

松村北斗さん:黒→“黒く燃える腹ん中”

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こんなにも綺麗に、詞の中にメンバーカラーを入れた楽曲をわたしは見たことがない。タイトル通り、SixTONESの「こっから」に相応しすぎる詞で、彼らはいつでも戸口を開けていてくれるように思う。わたしがSixTONESのことを本格的に意識し始めたのは「ABARERO」がリリースされた2023年4月頃ではあるものの、実際転がり落ちるようにSixTONESへ本格的にハマるトリガーとなった楽曲は「こっから」だ。そういったように、この曲はteam SixTONESと、SixTONESを知らない・まだ観たことがない人たちを繋ぐ存在に思える。

 

 

⑥6人6色のメンバーの関係性について

 「こっから」のMVではメンバー6人全員が揃う場面は勿論あるものの、メンバーが2人ずつに分かれ計3組のペアとなって撮影されているカットがあり、これまでのMVでは類を見ない映像となっている。

京本大我さん&田中樹さん(きょもじゅり)

ジェシーさん&髙地優吾さん(ゆごジェ)

森本慎太郎さん&松村北斗さん(ほくしん)

ひとりひとりを映し出すカットでもそれはそれで面白いMVになると思うのだが、SixTONESに関してはひとりだけではなくペアや6人の関係性を意図的に撮ることで彼らの団結力や絆を感じることができる。ちなみにの話になるのだが、MVの1人ずつのver.は「こっから」の初回盤Aに「こっから‐Music Video Solo Movie‐」として収録されており、推しメンバーの映像をひたすら楽しむことが出来るので楽曲と併せてチェックしておきたいコンテンツとなっている。

 

CD購入はこっからどうぞ。こちらのリンクのタワーレコードオンラインだと時期や日によってポイントがわんさか付くのでおすすめです。

 

SixTONESは「アイドルとして会いたい」のは前提として、「音楽を生で浴びてみたい」と興味が湧くアーティストでもある。芸術品みたいな、それでいてコレクションしてみたくなるような、どのグループにもない魅力を持つ唯一無二のアーティスト。彼らの今後も目が離せない。