音旅

文章の世界の住人。主に音楽のお話。

THE PINBALLSのことが、だいすきです

 好きなバンドが活動休止するというのに世界は何も振り向きゃしない。こんなに素晴らしいバンドがいるのに?

 

THE PINBALLSが活動休止すると知ったのは、2021年の9月くらいだったと思う。正直衝撃が大きすぎて何曜日かも覚えてなかった(フォロワーのブログで金曜日だと知った)。

THE PINBALLS…略してピンズは、ガレージロックという音楽を奏でるバンドだ。フォロワーがツイートしてることと、あるブログの記事を読んで一聴してみたらそこは沼。聴いたことのない音楽のジャンルに加え、ボーカルである古川貴之さんの歌声にすぐに虜になった。良い意味でこんなボーカルの声は、今まで聴いたことが無かったのだ。

 

「片目のウィリー」という楽曲が存在する。

ピンズの代表曲であり、多分1番知られている曲だと思う。わたしはこれでピンズの世界にハマった。ラストライブの1曲目だった。演出からの繋ぎが最高すぎたので現地にいたらぶっ倒れてたかもしれない。

古川さんの歌声は、ハスキーなんだけれどどこか聴きやすい。いつまでも聴いていたくなるような低い声なんだけれど、どこか柔らかみもある。どうしてこんな歌い方ができるのだろうと、ハスキーボイスが苦手なわたしでも一聴で惚れた。

 

THE PINBALLSは、a flood of circleとも対バンをしたことがあるバンドだ。佐々木亮介が「片目のウィリー」をカバーした動画も観たことがある(YouTubeには、同楽曲をフラッドがカバーした動画も残っている)。そんなライブに一度は行ってみたかったな、なんて思ったりもした。実際、周りの反対を押し切って無理矢理行ったライブより、観なかった・行かなかったライブに対しての後悔の方が大きい。だからこそ、活動休止なんて信じたくなかった。わたしはまだ、彼らをこの目で観たことがないのに。

 先日、ラストライブの配信が決まったと聞いて、かなり有難かった。画面越しだとしてもこの目にピンズを、音楽を、直接脳内に叩き込むことができるから。

 

THE PINBALLSは、綺麗な四角形を描くような、4人で図形が完成するバンド。今回のラストライブはわたしが初めて彼らを『ライブ』として観たにも関わらず、聴いたことのある楽曲は脳内に再上映するように、あまり聴いていなかった楽曲もまるで元から知ってたかのように衝撃を受けた。ラストライブってなんだろう、本当に最後なのか?

ピンズと出逢った頃に聴いた音楽と、今聴くのとではやはり違って聴こえる。音の浮き沈み、古川さんが歌うメロディーラインの美しさ、楽器の尖り方……どれを取っても、ものすごいバンドだと感じた。

 

4人で15年間走り続けてきてくれて、本当にありがとう。今はゆっくりおやすみしてください。また彼らを愛せる時をいつまでも待っています。