音旅

文章の世界の住人。主に音楽のお話。

2023年5月2日-わたしの推し、三宅健さんの話

 今年の2月、界隈を揺るがす大きなニュースが入ってきた。上記リンクの件である。

公式発表より先に某週刊誌にリークされていたとか何とかという問題は一旦横に置いておいて、わたしは純粋にめちゃくちゃ驚いた。だって、彼のファンクラブ「BLUE JAY IVY」は約1年半前(2021年11月)に始まったばかりだし、ソロでのコンサートもついこの間大団円を迎えたばかりの時期。「どうして?」と思った。けれど、彼が選んだ言葉で構成されている文章を読み解くうちに健くんの気持ちが伝わってきて胸がいっぱいになった。何よりもV6というアイドルグループとファンのことを大切にしてきた彼らしい決断だと思った。公式発表の翌日、わたしが書いていた日記の一文を引用させて頂く。

健くん退所は本当の情報だったけど、トニセン(※)も本人もあったかい言葉ばかり注いでくれてもう心はぽかぽかなんよ…BIG LOVEすぎる 応援し続ける…!

(※)トニセン:“20th century”の略。V6の年上組3人で構成されたグループのこと。

どこまでいってもわたしはオタクだし、オタクでしかない。わたしは「自分の推しが出した答えに関しては否定しない・干渉しない」と決めている。何故なら、そういう推しが好きで応援し始めたからだ。「推しの考えが最初から変わらないのであればオタクであるわたしも付いていく」と、まるで一生を誓った婚約者のようなスタンスで居る。推しひとりに掛ける重い愛のおかげで、わたしは人生を歩んでいける。そのうちのひとりが三宅健さん…健くんだった。

2021年の3月頃に彼の持つ魅力・沼の入り口を辿ったわたしは、あれよあれよという間に沼の奥底まで沈んでいた。ハマってから1年後の2022年3月には、健くんがきっかけで初めて舞台観劇に出掛けた。ファンクラブでは落選してしまったので3時間も電話を掛け続けて一般でチケットを取ったがその甲斐があったと思うし、観劇後は彼のことがもっと好きになった。その時まで健くんのアイドルの姿しか知らなかったから、役に入り込んでいる“俳優”としての姿は新鮮でとても記憶に残っている。2022年の後半、11月には彼のソロコンサートにも参戦した。V6のライブは画面越しにしか観たことがなく「いつかは健くんかトニセンのコンサートに行ってみたい」と願っていたので、この機会を勝ち取れたことは本当に嬉しかった(※余談にはなるが2023年に入ってからはトニセンのコンサートにも運良く参戦することができた、観られたことに最大級の感謝を)。健くんがアイドルとして自由自在にステージを彩ったり、駆け回ったり、色気を放ちながら踊ったりする様はとても美しく、いつまでも見惚れてしまうほどだった。

わたしは健くんに、たくさんの「初めて」を捧げた。“初めて”ジャニーズ所属の方の舞台を観に行ってよかった、“初めて”ジャニーズのコンサートに行ったし、応援のためのうちわも“初めて”作った。本当に本当に、心から大切な存在だ。

先日、彼が主演を務める「ミナト町純情オセロ」という舞台を、有り難いことに2回も観劇させて頂いた。わたしの世代だと健くんのファンは絶滅危惧種みたいなものでほとんど周りに彼のことを話したことがないのだが、この舞台は22歳以下のチケットが安くなるというサービスがあったので観劇のうち1回はそのサービスを利用した。初めてこの世代のファンで良かったと思った。

健くん自身は関東出身なのに演じる役柄の関西弁をナチュラルに喋り、「劇団☆新感線」特有の演出を見事に体現し、舞台の端から端まで動き回る彼。見逃さないようにと一生懸命追いかけた。初回の観劇後は胸に感情がグンと降りてきて、感想を書こうとしてもなかなか手につかなかった。それくらい彼の演技に飲み込まれていたのだと思う。2回の観劇で座席の最後列からと、前から5列目の席。ほぼ両極端な席で観ることが出来て、こんなに恵まれたことはないと思った。

 

別に彼は芸能界を引退するわけではない。ジャニーズ事務所の所属ではなくなってしまうが「一旦活動を休止して少しの間だけ休暇を取る」といった感じだと思っている。また、彼自身も「来月から無職なんで🫠🫠🫠」とInstagramのストーリーに上げていたくらいなので本人的にはポジティブな決断なんだろうな、と勝手に推察した。

彼の舞台を観に行くとその周りにポスターが貼られていたり看板が立てられていることがあり、ファン以外の方からも「三宅健さんだ!」と言ってもらえることが、V6や健くんのこと好きになったこの2年間で個人的にとても誇らしかった。口には出さなかったものの「わたしの推しは素敵な人なんです!」と心の中で何度も自慢した。健くんはわたしの想像している以上に多くの人に愛されているから、ここから歩む道を照らす光がきっとたくさんあることだろう。

彼の姿を見ない日々は初めてのことで寂しくなってしまうことを危惧していたが、2回目の舞台を観劇した後には何故だか前に進む勇気を貰っていた。涙が流れるより早く、心に春風が吹き込まれ「俺が居なくなっても大丈夫だよ」と言ってもらえた気がした。だからわたしは力強く生きていかなければいけない。

舞台は昨日無事に大千穐楽を迎え、暫くはTV出演もラジオ番組にも出演しない期間となる。少し前に彼から素敵な贈り物を頂いて「ああ、そろそろなんだ」とようやく実感が湧いた。あのメッセージの基となった円盤を観たくなって再生すると、ちょうど今のわたしと同い年の健くんが映し出されていてどこか偶然とはいえない、運命的なものを感じてしまった。やっぱりわたしは健くんのことを好きになる運命だったんだと確信した。

待っていれば会うことは叶う。健くんは約束を叶えてくれる人だから、わたしはそれを信じて待つことにする。

 

あなたが行く道に、幸多からんことを。