音旅

文章の世界の住人。主に音楽のお話。

ロック・ディ・ガール

イヤホンやヘッドホンをして音楽を私のものだけにする時間が好きだ。周りの人には聴こえてないんだなと思うと謎の優越感に浸れる。好きな音楽を纏う瞬間が心地良い。目を瞑って聴くとその世界観に入ったような気がする。音楽とラジオはなにか物事をしながらでも聴けるものだが、その音を聴くためだけに時間を取る。私はそんな贅沢な時間が大好きだ。最近は箱庭ロックバンドだけではなく他の音楽にも手を出している。この文章を書きながら聴いているのはSuperfly。聴くきっかけとなったのはとあるベーシスト。端的に言うと、歌声から何から何まで綺麗なのだ。輝いている。音楽的なことは何一つ分からないが、聴くとふわふわとして心地がいい。売れるのも頷ける。朝から聴きたい音楽だと思う。昔の私はこんな音楽が好きだったな、と思い返す。今も引き続いて好きだけど、入り口が反対からだったからその話。昔は平和な音楽が好きだった。俗に言うアニソンとか、表現が分からないが、なんとなく掴みがかわいい歌とか。ロックサウンドとは無縁の生活だった。箱庭ロックバンドに出会うまでは。「シュガーソングとビターステップ」を初めて聴いた時、なんだこの曲と思った。“甘くて苦くて目が回りそうです”…こんな強い歌声なのに敬語を使うところがなんだかかわいらしいなと思った。それが現在私を取り巻く音楽生活の入り口。約4~5年前になるか。まぁその後アニメと声優の世界にどっぷりとハマる訳ですよ、こんなに早く出会ってたのになぜもっと深く掘り下げなかったんだ自分。この人たちのライブ行っとけまじで

UNISON SQUARE GARDENは聞かれれば「まぁ好きかな」と答えるレベルだった。学校の宿題やるときにBGMに使ってたくらい。

アニメと声優の世界にハマって何年か経ったのち、15周年を記念して大阪の舞洲でライブをするという知らせを受けた。ふーん、大阪か、とりあえず好きだし行ってみるかという言ってみれば軽い気持ちで行くことを決めた。家族連れて。娘のこんな軽い気持ちに付き合って4人分のライブチケット買ってくれたうちの両親もどうかしてると思う、今となっては感謝しかないんだけどね。これが良くなかった、いや良かったのか。今の私を形づくってるんもんな

舞洲で受けた衝撃をどう表現すれば正解なのか、当日行った人や映像を観た人は分かると思うが、とにかくものすごいライブだった。ここで起きたこと、体験したこと。今も私に与え続けている影響は計り知れない。それからというものの、私は音楽が、ロックがより大好きになった。それまでに味わったことのない音楽の種類。私はロックという名の、目に見えない物体に虜になった。冒険をしてみたいと思った。かわいいものだけに囚われてちゃだめだとも思った。決断をしたのは10月で、それまで集めていたアニメグッズ等はほぼ全て売った。それくらいの決断をしたのだ。辛い時も楽しい時も、いつでも勝手に頼らせてほしい。そんな思いで私は今日も彼らを追いかけている。大好きだよ。

 

そうして私は今日も音楽を聴く。それは自己形成のためでもあるし自分を安定させる為でもある。生きてく理由であって生かされてる理由。私はいつでも幸せだよ。彼らに届かなくてもいいけど私は勝手に救われてるんだよ、いつもありがとうね。

 

ではまた。