今公演、バラードたちが集まるブロックは「Numbness like a ginger」から始まった。アルバム「Ninth Peel」から1曲来るとは思ってはいたけれど、「Numbness like a ginger」でバラードの幕開けを飾るとは…!枠としては、舞洲での「黄昏インザスパイ」のような立ち位置になるのかな?明るい希望を少しのエッセンスとして加える効力の強さがドーム公演ならではと思った。音がふんわりと響くドームだからこそ純度がそのままに心へと刺さる。まるでUNISON SQUARE GARDENの優しさが会場全体を包み込むよう。
大歓声の中、またしてもドラムスティックをコンコンとぶつけて続いたのは「アトラクションがはじまる(they call it “No.6”)」。ドラムソロからの転換曲を選ぶのは難しいはずだからどういう方向性でくるのかな?と思っていたけれど、これなら納得せざるを得ない。貴雄さん、ドラムソロであれだけ叩いた後なのに比較的激しい曲を次に持ってきて大変だろうけどそれを軽々とやってのけるところ、尊敬しています…。ジェットコースターのように希望を咲かせてくれる選曲に、バラード枠でほわほわしていた空気がすぐにしゃきっと生き返る。“台風が来たって飛ばされないような心臓の音”というフレーズ、屋根のあるドーム公演にぴったりすぎるし、舞洲で公演直前の当日午後3時に台風を消し飛ばして消滅させたことをここで回収してくるの胸アツ。
次は音が絡まり合うイントロ、そう「シグナルABC」の幕開けはわくわくが止まらない!UNISON SQUARE GARDENが居るなら、どこだって桃源郷になるんだよなぁ…余談だけど、「アトラクションがはじまる(they call it “No.6”)」で“3秒前”という詞があるのに対して、この「シグナルABC」は大体“3分”14秒で終わるのは3繋がりってこと…?
イントロから少しの歓声、ユニゾンのファンはみんな反応が早い!「シグナルABC」に続いてもB面曲「RUNNERS HIGH REPRISE」。またもや久しぶりの曲が飛び出した。前曲「シグナルABC」で“ABC”を奏でたから、“君の奏でた文字が重力を操り”で繋がってるんだ…!“順を追いて走り出せ”というフレーズから“RUNNERS”というのも繋ぎとして感動したし、そういうのめちゃくちゃ好き!
「シャンデリア・ワルツ」の終わりが近づくタイミングで、貴雄さんの背後にスタッフさんがやってくる。ヘッドホン曲だ!とすぐに気づいた。この曲の流れは舞洲でも観た!とわたしは直感的に気づく。斎藤さんが「ラスト!」と叫ぶと「君の瞳に恋してない」が奏でられる。落ちサビ前の斎藤さんと田淵さんの追いかけっこは「fun time HOLIDAY8」大阪公演を思い出させる。今回は田淵さんがコーラスにギリギリ間に合っていて安心した…!それを見た斎藤さんがちょっと笑っていてかわいかった。多幸感いっぱいでアンコールを終わらせるの、このままUNISON SQUARE GARDENの魔法にかかったままで居たいと思ってしまう。
お相手のバンド・アーティストがいらっしゃる対バンツアー「fun time HOLIDAY8」でもセットリスト入り。2022年はツアー「Patrick Vegee」の後半戦が年の始めの冬にあり、それが終了してからやってきた春に「fun time HOLIDAY8」が開催されました。本編ラストに「君の瞳に恋してない」が入ったことによりこの曲がセットリストの大団円のような立ち位置になっているのが分かります。舞洲と比べるとめちゃくちゃ成長したなぁ…と親のような気持ちになってしまいました。2022年には単体の曲としての知名度も上がっていたのでお相手のいらっしゃる対バンツアーにはうってつけの楽曲だったのかもしれません。
先日、オーラスまで無事に駆け抜けたツアー「fiesta in chaos」にもセットリスト入り。「fun time HOLIDAY8」では本編ラストだった「君の瞳に恋してない」でしたが、こちらのツアーではアンコールのラストに位置しています。本編の終盤はかなりカロリーを使う王道楽曲たちがずらりと並んでいるので、この中に「君の瞳に恋してない」を入れてしまうとごちゃつくからでしょうか。王道楽曲群が強すぎてつけ入る隙がございません…。
「fiesta in chaos」は東京都にあるライブ会場、東京ガーデンシアターにてツアー最終公演を開催し幕を閉じました。この会場はバンドだけではなくジャニーズのライブでも使われることがあり(例:男闘呼組・三宅健さんなど)、収容人数はおよそ8000人と聞いたことがあります。そんな大きな会場だと、きっとUNISON SQUARE GARDENのことをそこまで詳しくない方もライブにいらっしゃったことでしょう。本編をほぼMCなしで突っ切ってアンコールに突入、時間が秒で過ぎていく中でアンコールの最終曲が「君の瞳に恋してない」だなんて、そんな贅沢なことあるのでしょうか。見事に楽しかった思い出だけを持ち帰ることができる構成だと感じます。UNISON SQUARE GARDENのことをあまり知らない自分になって、初めてのライブをこのセットリストにしてみたいくらい羨ましいです。
わたしはUNISON SQUARE GARDEN以外のバンドもよく聴いたりしますが、ユニゾンのことを今では1番好き!と言えるようになったきっかけはきっと「ドラムの音がうるさくなかったから」というのも大きいと思っています。語弊の無いように書いておくと他のバンドのドラムがうるさいという訳ではなくて…ユニゾンを好きになる前までのわたしは、ロックバンドに対してあまりいいイメージを持っていませんでした。「大きな音を鳴らしてどんちゃん騒ぎする人たち」「暑苦しい」くらいのイメージを持って生きていたんですが、UNISON SQUARE GARDENの音楽は楽器全ての音のバランスが良く、爽やかで聞き取りやすい斎藤宏介さんの歌声も相まって、初めて聴いた時には「え?これがバンドなん?」と軽く衝撃を受けました。でもわたしがユニゾンの音源を聴いたのはアルバム「Dr.Izzy」の頃なので、斎藤さんの喉のポリープ手術後の歌声だったんですよね…荒々しさを全面に押し出した昔の音源、それこそ初期のアルバムである「新世界ノート」や、斎藤さんが喉の手術前直前に収録したもの〜手術した後に音を録った曲が収録されている「Catcher In The Spy」を聴いた時にも「本当に同じバンドなん?!」と、かなりびっくりしたのを覚えています。
ドラムの話に戻ります。UNISON SQUARE GARDENのメロディーライン・ドラム譜面の大枠を作っているのは田淵智也さんですが(※「Spring Spring Spring Revival」付属の「Nihil Vip Viper」制作ドキュメンタリー映像を参照するとPC打ち込みで田淵さんがほぼ全ての音を作って持ってきていることが分かります)、最終的な譜面のアレンジや音の調整はドラマーの鈴木貴雄さんが担っているとわたしは記憶しています。違っていたらすみません!
つい先日、横浜アリーナにて「バズリズムライブ 2022」というフェスが開催されたのですが、そこで同じ日に出演されていた東京スカパラダイスオーケストラのドラマー、茂木欣一さんとの2ショット。鈴木貴雄さんは茂木さんLOVE♡な方なんですけど(※2020年9月に開催されたユニゾンの配信ライブ「fun time HOLIDAY ONLINE」のトークコーナーでその愛を爆発させる鈴木貴雄さんを観測しました)、わたしはそんな鈴木貴雄さんが好きなのです…自分の好きなミュージシャンに「一緒にハートポーズで写真撮ろう!」と誘われて(※推定)、ノリノリでハート作っちゃう鈴木貴雄さん可愛すぎる。この写真を初めて見たわたしは誰もいないリビングで奇声を上げて物理的に暴れてしまい弟に変な目で見られました…オタク落ち着けないですよこんなの。茂木さんマジで本当に心からありがとうございます、大好きです。